ドラッカー先生より 方法論としての起業家精神

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歴史は螺旋状に動く

今日、再び我々は起業家精神が強調されるべき時代を迎えている。

一人の人間が自らマネジメントする起業家精神とは異なる。

それは新しいことのために組織を作り方向を定める能力である。

今日必要とされているものは、過去50年の間に培ったマネジメント能力の基盤の上に、起業家精神のための新しい構造を作ることである。

歴史は循環する。

しかし、元の位置、昔に戻ったかに見えても、内容の次元はより高度になっている。

歴史は螺旋状に動く。

起業家精神も、個人の起業家の段階からマネジメントの段階を経た後、組織を使った高次の起業家精神の段階へ至った。

これからの企業は起業家としての能力を必要とする。

だが、その起業家精神は、日常のマネジメントが行われている既存の組織、しかも複雑な大組織において発揮されなければならない。

◎経済的な機会

技術の変化を知るための、第一の、しかも最も容易な方法は、経済的な機会の存在を知ることである。

必要は発明の母ではない。

だが助産婦ではある

機会の存在を示す指標としては、経済学者には1世紀以上前から知られている資本の生産性の低下がある。

同一の生産を上げるのにより多くの資本が必要になった時、特に資本の増加が労働力の減少によって相殺されなくなった時、その産業は下り坂となる。

新技術は命令によって生まれない。

労働力と資本を投じても、それだけでは効果は期待できない。

新技術は人の力によってのみ実を結ぶ。

変化をもたらすために最高の頭脳を投入することは滅多にない。

その産業の外部にいる創造的な人たちが機会を見つけ、動き出す。

そして直ちに大きな変化をもたらす。

◎知識動向の分析

技術の変化を知るための第二の方法は、あらゆる種類の知識の動向を把握しておくことである。

新知識を体系的に調べ、技術への発展の兆候に注意することによって、技術の変化を知る事ができる。

しかし、技術は自然科学から生まれるだけのものではない。

知識に関わるあらゆる分野の体系的な活動から生まれる。

その上大昔から、大きな変化はそれぞれの分野や体系の外部で生まれている。

知り過ぎている分野、何が不可能か知り尽くしていると自負している分野からでは、変化は見えない。

◎ビジョンの先行

技術の変化は思想や言葉に表れる。

そして、理解が得られるのは行動よりも後である。

製品やアイデアよりも、ビジョンが経済、社会、文化に影響をもたらす。

◎技術戦略の必要性

技術のダイナミクスの分析は、科学的ではないが感覚的でもない。

本物の分析である。

起業家として、次のような問いかけをする者がよく成しうるものである。

1、新産業や新プロセスの機会はどこにあるか?

2、いかなる新技術が市場のニーズに対応して大きな経済的影響をもたらすか?

3、まだ経済的影響をもたらしていない新知識は何か?

4、産業、プロセス、生産性に反映されていない新知識は何か?

5、新技術を言いにあるものにする事ができる、いかなる新しい見方、コンセプトが生まれているか?

6、それらはいかなる種類の新技術に影響を与えるか・

もちろん、これらの分析によって、これこれの技術がいつまでに表れ、それによって5年後にはコレコレの売り上げを立てるという予測はできぬ。

もしそれが重大な影響をもたらし、単なる新製品ではなく新産業をうみ、あるいは単なる新しい道具やプロセスではなく新技術をもたらすであろうことを明らかにする。

◎買うものと売るもの

今日では、政府の全面的支援を受けた最強の研究所でさえ、もはや技術の自給自足はできない。

自力で開発すべきものは何か。

売るべきものは何か。

買うべきものは何か。

どの段階で買うことに踏み切るべきか。

◎市場のダイナミクス

起業家たるものは、これらの技術のダイナミクスのみならず、市場のダイナミクスも知らなければならない。

市場のダイナミクスを理解することは、技術の成果を無駄にしないために不可欠である。

◎顧客の観点からのマーケティング

◎イノベーションとしてのマーケティング

新しいものには既存の市場がない。

新技術は新市場を必要とする、

しかし、それがいかなる市場となるかは、実際に需要が生まれるまで見当もつかない。

◎既存の事業から切り離す

人と人との関係についても新しい構造を作り上げなければならない。

指揮命令型組織ではなくチーム型組織が必要である。

さらに柔軟性が必要である。

とはいえ規律や権威も必要であり、意思決定を行う者が必要である。

◎トップの役割

トップの仕事は、アイデアを具体的な仕事の提案に転換させれる事。

トップの地位にある者は耳を傾け、元気づけなければならない。

想像を理解に、直観をビジョンに、意欲を結果にするために自ら動き続かなければならない。

生煮えのアイデアを体系的な行動に転換することを自らの仕事と考えるトップだけが、イノベーションを可能にする。

◎目標を高く

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