私がとても幼い頃の話です。
やんちゃだった私は『やらかしました。』
何を『やらかした』かは覚えておりませぬ。
母上が、初めて
「貴方はもう、お父様に怒ってもらいます!!」
とおっしゃいました。
ぐはっ!
部屋で震えながら待っていると、父上が部屋にいらっしゃって、
父上 「俺は来客で忙しいから、2時間後に俺の書斎に来い。」
と、相成りました。
その2時間、、、、
後悔するする。
反省するする。
自分にはもう、明日は無い、、、、と思い詰める。
ただ、ひたすらに自らの『罪』を悔いる、短いようで長い時間。
審判の時間が来て、父上の書斎に出頭します。
『刑』の執行を待つのみ。
私は『罪人』なのです。
つけは払わなければ。
ドアを『コンコン』とノックし、
私 「入ります、、、、」
そこで、父上は私をサッと観察され、頷き、
父上 「うん、反省している様だな。」
それだけでした。
続けて父上のおっしゃられるには、
父上 「ところで弘太郎は俺の本棚が好きな様だな。
世の中、なかなか尊敬できるやつはいないが、面白い奴はいる。
俺の場合は、まずは西はリシュリュー、東は曹操だ。」
そこから、父上はその御知見からの熊谷弘史観から、古今東西のワクワクする英雄譚と
人間讃歌をお話ししてくれました。
私の読書や歴史好きが決定的になったのはその時だと思います。
今は昔の話です。
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