歴史書から学ぶ
考えるヒント
熊谷弘
はじめに
5年ほど前のことだが、学生たちに週1回講義をする仕事を仰せつかったことがある。
何を話して良いのか考えたのだが、これがなかなか難しいことに、学生たちの興味の対象が、どの辺にあるかわからないのである。
そこで、古典をテキストにして話をすることにした。
昔ずいぶん読んでみたものだったのだが、読み返してみると古典とは時間の風化に耐えて残るだけあって、実は素晴らしい内容を持つものだということに改めて気付かされたのである。
それは、豊かであり、読む者を刺激し、何かを生むことを助けるものだったのである。
以来、暇を見つけては、若い頃は歯が立たなかったり、無味乾燥と放り出してしまっていた書を読むことにしている。
本書は、折々に読んだこれらの本のおかげで、思いついたことをとりとめもなくまとめたものである。
平成21年6月15日
コメント